医院&患者さんインタビュー

「むし歯のない人」の人生を、
上向きに変えられる

このはな歯科医院(山口県) 吹田すいた たけし 先生

このはな歯科医院では、初回に医院のコンセプトを共有するカウンセリング、2回目に「だ液検査」を実施しています。「健康な口腔内から患者さんの人生を後押ししたい」という吹田先生に、だ液検査を行なう意味と医院が目指すものについてお聞きしました。

  • 患者さんの行動が変わる“スイッチ”

    歯科の病気のほとんどは、日々の生活習慣から生まれます。であれば、そこにあるリスクをはっきりさせ、その人に合った歯の守り方を一緒に考えて取り組むことで生涯歯を守っていける。『デントカルト』はそのためのツールです。

    ですから、当院ではむし歯で困った経験がない人や今むし歯がない人にも、デントカルトによるだ液検査を実施しています。すると、「むし歯がなくてもこんなに菌がいるんですね! 驚きました」という反応があるんです。むし歯がない人でも実際に菌を見ることが“スイッチ”になり、予防への行動を起こしやすくなります。

    行動変容で一番大事なのが、このスイッチ。それによってお口の状態がよくなるし、今後の健康にもつながっていく。医院として、その後押しをいろいろな引き出しを持ってやっていきたいと思っています。

  • 口腔内と向き合うことが、
    行動の原点になる

    印象的な患者さんに、こんな方がいます。30歳の男性で、プラークが多くてところどころ脱灰も見られました。むし歯経験は少なく、だ液検査の結果でも菌数は少量でリスクも低い。この結果から脱灰の原因を一緒に考えました。「一人暮らしを始めて生活が荒れたかな」と話し、担当の歯科衛生士にバトンタッチして口腔衛生指導を行ないました。

    ところが、しばらくきちんと通っていたのに突然来なくなってしまったのです。数ヶ月後に来院して「バイクで単独事故を起こしました」と。それで口の中を見たら……ピッカピカ! 「時間があったので、教えてもらったケアをやっていました」とのことでした。

    僕が究極にうれしかったのは、彼の人生がちょっと上向きに変わったこと。デントカルトを通して、歯を守る必要性とその方法を伝えることができたんです。むし歯がない人の人生を変えられるんだと思いました。