だ液検査を本格的に導入して5年がたちますが、最初はなかなかうまく行きませんでした。予防の大切さを丁寧に話し、最後に「このような検査があるのでやりませんか?」と伺っても、受け入れてくださる患者さんはほとんどいなくて……。
でもあるとき気づいたのです。検査の結果をうまく伝える自信がなくて、「もしよかったらやってみませんか」という消極的な姿勢になっていたことに。これは、ハンバーガーを注文した時に「ご一緒にポテトもいかがですか?」と聞くのと同じ。“ついでに” のレベルです。患者さんには「どちらでもいいならやらなくてもいいや」と思われていたのでしょう。
今は「だ液検査はお口の健康を守るために欠かせない」という姿勢で患者さんと向き合っています。カウンセリングで将来の希望を伺ったりなど、患者さん自ら行動してもらうための工夫もしていますよ。
おかげさまで、最近ではほとんどの患者さんが積極的に受けてくださっています。一人ひとりのリスクに合った予防プログラムを作り、確実に健康を守っていく。ずっと描いてきた歯科医院づくりが、少しずつ軌道に乗ってきたと実感しています。